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2017年

3月

06日

発達障害、入学前からの対応が不可欠

 

新学期を控え、発達に課題を抱えるお子さんの就学について、まだ相談を続けているご家庭もあるかもしれません。総務省行政評価局は先頃、発達障害者支援に関して、乳幼児期から切れ目なく適切な支援が受けられるよう、文部科学省と厚生労働省に勧告しました。発達障害児への支援には、何が必要なのでしょうか。

「支援法」から10年、学校も試行錯誤

2004(平成16)年12月に制定された発達障害者支援法(05<同17>年4月施行)は、国や都道府県、市町村に対し、発達障害の早期発見と発達支援、就労・生活支援、家族への支援を行うことを義務付けています。

施行から10年が経過し、その間、2007(平成19)年度から、かつての特殊教育が「特別支援教育」に衣替えされて発達障害も対象になり、通常学級の中で特別な配慮が行われたり、通級による支援が行われたりするようになりました。以前なら「困った子」「できない子」などと本人の問題に帰されていたものが、実は努力の問題などではなく、個々の状態に応じて特別な支援が必要であることが、ようやく認識されるようになってきた10年であると言うこともできます。

ただ、学校現場にとっても、試行錯誤の10年間だったことは確かです。通級のための教員加配はあるものの、大抵は学級担任が、特別支援教育について研修を受けたり、独自に勉強をしたりしながら、通常の学級の中で、対象となる児童生徒一人ひとりの「困り感」に応じて、手探りで配慮を加えながら、全体の授業を進めています。ティームティーチングで入ったもう一人の教員や、学習支援ボランティアが、授業の中で個別に指導を行うこともあります。

まずは早期発見と支援計画から

勧告によると、乳幼児検診時や在学中の行動観察で、発達障害が疑われる児童生徒を見逃している恐れがあるといいます。それが支援の遅れにつながり、不登校や暴力行為などの「2次障害」につながっている場合がある……というのです。

また、作成すべきものとされている支援計画が、医師の診断のある児童生徒だけに限定され、支援が必要な者に計画が作成されず、進学先への引き継ぎも十分に行われていない恐れがあるとしています。

そこで、市町村での早期発見に資する有効な措置を講じるとともに、支援計画の作成対象とすべき児童生徒の考え方を示し、必要な支援内容等が引き継がれるよう、具体例を挙げて周知すべきだとしています。

発達障害は「発達の凸凹(でこぼこ)」とも言われるように、できない部分がある反面、特定の分野には飛び抜けて能力を発揮するケースも少なくありません。少しの配慮で学級や授業に適応を図る一方で、早期からのきめ細かな支援により、その子の能力を最大限に伸ばすことが求められます。

それには、手厚い支援体制も欠かせないでしょう。通級は新年度から10年間で対象児童生徒13人に1人の教員が自動的に配置されること(基礎定数化)も決まりましたが、今後とも更なる充実が期待されます。

※総務省 発達障害者支援に関する行政評価・監視<結果に基づく勧告>
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/110614.html

(筆者:渡辺敦司)

ベネッセ 教育情報サイト

2017年

2月

15日

<ADHD>母6割、確定診断で「原因分かり、ほっとした」

 

 ◇製薬会社のネット調査

 

 発達障害の一つで、多動性などの特徴があるADHD(注意欠陥多動性障害)の子を持つ母親の6割が、確定診断を受けて「症状の原因が分かりほっとした」と考えていることが、製薬会社のインターネット調査で分かった。一方、ADHDが疑われる子どもを担当した小学校教師の3割は、保護者に子育て支援機関への相談や医療機関の受診を勧めなかったと回答、学校の支援が不十分な実態も浮かんだ。

 

 治療薬を開発している塩野義製薬とシャイアー・ジャパンが共同で実施。昨年11〜12月、小学生の子どもが確定診断を受けた全国の母親283人と小学校教師103人から回答を得た。

 母親の4割は診断を受けたことで「子どもの将来が心配で落ち込んだ」と回答しており、調査を監修した児童精神科医の斉藤万比古氏は「衝動性などの特性は弱みでもあり強みでもあるが、親にとっては不利になるという恐れが強い」と指摘。「身近な学校や支援窓口に相談するプロセスがあるといい。教師には困っている親に手を差し伸べ、向き合ってほしい」と求めた。

 

 ADHDの当事者であり、支援活動に取り組むNPO法人「えじそんくらぶ」(埼玉県)の高山恵子代表は「育て方が原因ではないと分かることで、虐待防止につながる。不登校や自尊感情の低下といった2次障害を防ぐには、投薬治療だけではないトータルな支援が必要だ」と話した。

 

毎日新聞

2017年

2月

02日

増える「大人の発達障がい」本人を追い込む“二次障がい”に注意!

 

 

ホウドウキョク 2/2(木)    

増える「大人の発達障がい」本人を追い込む“二次障がい”に注意!

 

 

 

大人の発達障害が増えている。そのワケは?

 

 

発達障がいの子どもは「クラスに2人以上」

発達障害のある子どもの医療機関の受診状況を総務省が調べた結果、半数以上の機関で初診までに3カ月以上、中には約10カ月以上待たされていることがわかりました。
これは発達障がいの子どもが増えているせいでしょうか?

2012年に文科省が行った全国の公立小中学校での調査では、“発達障がいの可能性がある”児童生徒の割合は6.5%でした。
これは15人に1人。つまり、クラスに2人程度になります。
ただ、これは通常学級が対象なので、特別支援学校等に通っている児童生徒を含めると、実際の数字は6.5%よりも高いと思われます。
とはいえ、発達障がい児者自体が増えたということではなく、1980年代後半から診断基準が普及したことで「発達障がいと診断される人が増えた」と解釈するのが一般的です。

 

 

 

発達障がいは男性に多い

発達障害は、発達障害がい者支援法により、
・自閉症スペクトラム
・学習障がい(LD)
・注意欠陥多動性障がい(AD/HD)
・・・の3種類に分類されています。

「自閉症スペクトラム」は比較的新しい診断名です。
発達障害がいの症状には多様性があり、連続体として重なり合っているという考え方に立って、2013年にアメリカの精神医学会が、自閉症やアスペルガー症候群などを統合した「自閉症スペクトラム」という診断名に統合したのです。

2012年の文科省の調査では、全ての発達障がいの男女比は、男2.4:女1でした。
米疾病管理センターのデータでは、自閉症スペクトラムの男女比は5:1となっています。
なぜ男性に多く発現するのかは、よくわかっていません。

 

 

原因は先天性の脳機能障がい

発達障害の原因は、主に先天性の脳機能障がいです(知能障がいを伴う場合もあります)。
親のしつけや育て方の問題ではありません。
後天性は一切無く、生後に発病する心の病気ではありません。
発達障がいのお子さんを抱える親御さんは、今もそうした偏見や間違った見方に苦しむことも多いのです。

では、なぜ脳に先天的な機能障害が生じるのでしょうか?

 

 

「遺伝」だけではなく、「環境」も関与

まだ完全には解明されていませんが、近年の研究によって“遺伝”と“環境”という二つの要素が複雑に関係していることがわかってきています。

アメリカで行われた研究で、以下のような結果が出ました。
自閉症スペクトラムの兄弟がいる場合、もう一人も自閉症スペクトラムである確率は、一卵性双生児の時は70%台、二卵性は30%台、通常の兄弟は20%以下だったというのです。

このことによって、遺伝が関係していることはわかりました。
ただし遺伝子が同一である一卵性双生児でも100%ではないため、遺伝子以外の要素…「環境」要因も絡んでいることも併せて明確になったのです。

 

 

「環境」とは、出産後ではなく、妊娠中の「環境」

妊娠中に母親が抗てんかん薬「バルプロ酸ナトリウム」を服用すると、赤ちゃんの自閉症スペクトラムのリスクがおよそ3倍に高くなることが分かっています。
また、母親が妊娠中に抗うつ薬を服用すると、高確率で赤ちゃんが自閉症スペクトラムで生まれるという調査結果もあります。

大人になってから判明する発達障がいが増えている!

近年、「その場の雰囲気が読めない」「コミュニケーションが苦手」「時間や期限が守れない」「約束や用事をよく忘れてしまう」「衝動的に行動してしまう」…といった症状から、大人になって初めて発達障がいが発覚するケースが増えています。
これらのことは、誰でも1度や2度はあることのように思えます。
しかし発達障がいの場合、「時々」ではなく「いつも」こうした問題が起き、日常生活に支障が出るのです。

 

 

なぜ大人になるまで診断されなかったのか?

発達障がいの症状が、大人になって初めて出るということはありません。
必ず3歳ころまでには症状は発現しているのです。
しかし、知的障がいを伴わない発達障がいの場合、「少し変わった人だ」と認識されながらも、普通に大人になっていくケースが多くあります。
むしろ、学校の勉強などはとても優秀で、受験でも成功することもあり、本人も周囲も発達障がいであると気づかないこともあります。

 

 

「大人の発達障がい」診断のきっかけは゛二次障害“

先ほどのようなことが職場で続くと、上司や周囲が激しく叱責することもあるでしょう。
あるいは何度注意されても、自分の行動を改善出来ないことで気を病んでしまい、「自分は何をやっても駄目なんだ」と、うつ病、不安障がいなどを発症することが少なくありません。
そうした、うつ病、不安障がいなどが「大人の発達障がい」の“二次障害”です。
“二次障がい”は、「大人の発達障がい」でトラブルを抱える本人を、更に追い込み、苦しめます。
実際には、二次障がいをきっかけに心療内科などを受診して、発達障がいと診断されるケースが多いのですが…。

 

 

「大人の発達障がい」と診断されたら

治療については、主に薬物療法と生活療法の二つがあります。
ADHDには治療薬があり、最近成人にも適応されました。
またうつ病など二次障がいへの治療としても、薬物療法はよく行われています。
発達障がいがある場合の精神障がいは、少量の薬物でも効果があることが多いのです。
生活療法では、障がいについて理解を深めることを目的とした心理教育や、コミュニケーションの向上を目的としたSST(ソーシャル・スキル・トレーニング)などが行われます。

もし、社会生活の中で何らかの生きづらさを感じていたり、自分も周囲も困っているようであれば、専門機関に相談しても良いかもしれません。


◆渡邊千春先生 監修
平成24年9月 千春皮フ科クリニックを開院。
医学博士、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本レーザー医学会専門医、日本アレルギー学会会員、日本臨床皮膚科外科学会会員

2017年

1月

30日

スティーブ・ジョブズや楽天・三木谷氏も? 発達障害「ADHD」には起業家・天才がゴロゴロ

 

スティーブ・ジョブズや楽天・三木谷氏も? 発達障害「ADHD」には起業家・天才がゴロゴロ

 

を掲載しました。 こちら

 

2017年

1月

20日

アスペルガー症候群の子ども時代 〜ほかの人と何かが違うと感じた世界〜

 

 

私はアスペルガー症候群。子ども時代も苦労しました。私はなんでみんなと違うの?そうした疑問を持ちながら生きてきました。当事者ならではの、私から見えていた世界をお話します。
文・七海

 

 

なぜか私はみんなと違う。でも、みんなと同じになりたい

 

クラスから浮いている、それは自覚していました。私はアスペルガー症候群。診断されたのは大人になってからだったけれど、なんだかずっと生きづらいと感じていました。友達付き合いがとっても苦手だった子ども時代、私は常に違和感を持って生きていました。どうして私はみんなと違うの?そうやって悩んだ経験をお話します。
小学校のクラス。わいわいと賑やかで、みんなが眩しかった。私もみんなの輪に入りたい。そう思っていました。
誰もが当たり前のように友達を作っていく―。それが不思議でなりませんでした。友達っていったい何? どうやったら友達になれるの? どこからが友達なの? 境界線が曖昧で、友達の定義ができずに苦しみました。それでも友達が欲しくて、私は必至でした。「友達になろう」と題した手紙をたくさん書いて、クラスのみんなに配って回りました。彼、彼女たちは笑顔で「ありがとう」と言い手紙を受け取ってくれる。でも、友達なんてできませんでした。
私はいつもクラスから浮いていて、それも自覚していました。みんながグループで行動するのに、私はひとり。お弁当は友達同士で食べているのに、私はひとり。休憩時間は友達同士で遊んでいるのに、私はひとり。孤独感がとても強く、みんなが楽しそうにしている間、私は机に突っ伏して寝たフリをしていました。みんなの笑い声を、羨ましそうに聞きながら―。

 

 

爆発したのは中学校2年生。酷いいじめを受けました

 

発達障害を持つ子どもは、いじめを受けることがよくあります。相変わらず違和感を覚えたまま、中学校に進学しました。受験することもなく、近所の公立中学校でした。その中学校は、地元では有名ないわゆる ”ヤンキー校”。毎日学校が荒れ、暴力沙汰、警察沙汰なんて日常茶飯事でした。
中学校2年生になったとき、私はいじめの標的になりました。体育の授業中、遠くから「キモ〜い」という声が聞こえ、私のことじゃないかな、とドキドキしたのが始まりです。正直、私の何がいけなかったのかもいまだにわからない。比喩的な表現を理解するのは昔から苦手でしたし、表情を読み取るのも苦手。言葉もストレートだったと思います。でも、それを上手に治す術を私は知りませんでした。そういったアスペルガー特有の苦手な部分が災いしたのかもしれません。「キモ〜い」と聞こえた日から、露骨ないじめを受けるようになったのです。集団リンチは当たり前。男子も女子も関係なかった。痛いと言ってもやめてもらえなかった。朝学校に行くと、私の上履きや机はなくて、外に出ていました。その机や、中に入っていた教科書・ノートには、「死ね」「ブス」「キモい」などといった言葉が書き殴られていました。私は平然とした顔を装って、机や教科書を元に戻し、机に突っ伏して寝たフリをしていました。

 

 

障害者学級に入っていれば何かが違ったのだろうか。アスペルガー症候群の子どもを持つ方へ

 

子どもに寄り添ってあげてください。アスペルガー症候群当事者は、悪気なくストレートに物事を言うことがよくあります。また、比喩的な表現を理解するのが苦手なため、暗黙の了解が分からないことも多々。こうしたやり取りを日常的に行っている ”健常者” の方には理解しがたいかもしれません。アスペルガー症候群の特性が ”健常者” の特性とマッチしないため、マジョリティ世界に馴染めない子ども時代を過ごすことが多いのです。
私は障害者学級に入っていれば、人生何かが違ったのだろうか、と思うことが今でもあります。まだまだ偏見は強いですが、私が子どもだった頃より、発達障害という言葉が浸透しています。発達障害に対応できる教員も増えてきています。自分の子どもがアスペルガー症候群である場合は、その特性を理解して、子どもに合った進学方法をさせるのが良いように思います。
また、周囲にアスペルガー症候群の人がいるという方。どうか、偏見を持って接しないでください。あなたにも個性があるように、私たちにも個性があるのです。苦手なことはたくさんあるかもしれません。だけど、それを理解して、一緒に寄り添ってくれればそれだけで温かい気持ちになるのです。なぜなら、いつも孤独感を抱いているから―。

  

 

anan総研 2017年01月20日

 

 

2017年

1月

20日

「うちの子ADHD?」親がとるべき6つの対応法

 

 

ADHDなど発達障害の子が増えていると聞いて、「うちの子も?」と気になっている方がいるのではないでしょうか?『AERA with Kids 冬号』(朝日新聞出版)で、子どもの発達障害に長く取り組んでいる東京家政大学の宮島祐先生に、具体的な親の接し方などについて聞きました。

*  *  *
 昨今よく耳にするようになった「発達障害」。ADHD(注意欠如[欠陥]・多動症)もそのひとつです。そのほか、学習障害(LD)、自閉スペクトラム症(ASD)などがあります。ただし、これらの分類は医学界の診断名も、分類の仕方も、言葉の使い方も含めて混沌(こんとん)としていて、専門医でないとうまく整理できないのが現状です。

 宮島先生も、「病名として分類はされていますが、ADHDの特性に、こだわりが強い、コミュニケーションが苦手といったASDの特性が併存しているなど、いろいろな症状が混在していて病名できれいに分けることはできないのが実際です。今はインターネットなどですぐに病名を調べることができますが、チェックした結果をうのみにするのはやめましょう」と注意を促します。

 とくに就学前後の子どもたちは、幼児期特有の落ち着きのなさ、目の前のことに夢中になってやることを忘れてしまう、多少のかんしゃくといったことが多くの子に見られます。そのような診断がつきにくい子どもは、「グレーゾーン」ではなく、「パステルゾーン」の時期と考えるべきだ、と宮島先生。「『うちの子はきっとそう!』とネガティブに決めつけて、不安を募らせるのではなく、『いろいろな色が隠れている』とポジティブにとらえてみましょう」とアドバイスします。

 とはいえ、集団に溶け込めていないのに「うちの子は勉強もできるし、頭もいいからADHDじゃない」と決めつけてしまうのもまた問題です。それを防ぐには、子どもの行動の問題に「あれ?」と気づく感覚が大切です。

 もしも「指示に従うのが苦手」「忘れ物がやたらと多い」「気が散りやすい」など、「あれ?」と感じる行動や症状が見られたら、そう思ったところを一度整理して、書き出してみるのもいいでしょう。それは、専門医に相談するときの指標になります。

 たとえ、子どもがADHDの特性を持つ子であっても、大きな心配や子育てへの不安を感じることはありません。「そのような個性を持った子」と考え、子どもが自分の特徴に自信をもてるよう、接し方や対応を変えていけば大丈夫です。

 そのためにまず親が心しておきたいことは、ADHDの子どもたちによく見られる行動は、生まれもった性質によるものだということです。本人は決して意図的にやっているわけではなく、親御さんのしつけの問題でもありません。それを知らないと「困った行動を直さなければ」となり、「何度言ったらわかるの!」と厳しい注意を繰り返したり、ときに叩いてわからせようとしたりしてしまいがちです。

 

 

「いちばんの問題は、自分の特徴を否定され続けることで子ども自身が傷つき、自分への自尊心を失ってしまうことです。それを避けるためにも、やはり早期発見が大事。低学年までの間にADHDの可能性に気づいて早期に対応することで、子どもも明るく成長していきますし、親も楽しく子育てできるようになります」(宮島先生)

 では日々の生活では、親は子どもにどう対応していけばよいのでしょうか?

 宮島先生がアドバイスするのは、以下の6つの対応法です。

「わが子の行動特性に合わせて前もって約束を決め、守れたらほめるを積み重ねていけば、子どもの側もどう行動すればよいのかがわかります。発達障害をなおすという視点ではなく、社会の中で生きやすくしてやることをいちばんに考えていくことが最大のポイントです」(宮島先生)

(1)「こだわり」をよい方向に活用してパターン化させる
「一度覚えたら忘れない」という“こだわり特性”を生かし、やるべきことをパターン化

(2)前もって約束を決める、変更点を予告しておく
新しい場所、変化や突然の変更が苦手な子には前もって予告し、とる行動を約束しておく

(3)否定や命令の言葉でなく、肯定的な言葉で伝える
「走るな」ではなく「歩こうね」のように、指示や注意をする際は肯定的な言葉で伝える

(4)指をさす、手本やメモを見せるなど視覚化して伝える
してほしいこと、やらせたいことは、文字や絵、写真を使って「見えるかたち」で伝える

(5)行動・場所・時間など、手順はひとつずつ、わかりやすく伝える
複数の指示を一度に出されるのは苦手。指示は手順に沿ってひとつずつ区切って伝える

(6)叱るときは個別に、ほめるときはみんなの前で
友だちと一緒なら、叱るときは別の場所に連れ出して叱り、ほめるときはみんなの前で!

※『AERA with Kids 冬号』より抜粋

 

 

2016年

12月

22日

発達障害の子の勘違い会話「大人も同じ…」 聞く側の理解、考えていますか? 園児との事例集が話題に

 

「1人ゴミを10個ずつ拾ってゴミ箱に入れましょう」。教師のそんな言葉を聞いたある児童は、ゴミ箱をひっくり返してしまいました。その子には自閉傾向がありました。発達障害の子の勘違いについて、専門家は「聞く側がどのように理解するのかを想像しながら話す必要がある。大人同士も含めて、あらゆる人に通じることです」と話します。(朝日新聞文化くらし報道部記者・滝沢卓)

       

「運動会、何か出るの?」「おやつ」

 2016年9月17日に朝日新聞で、京都府宇治市の広野幼稚園が、園児との会話で意図がはっきり伝わらなかった出来事を記録している取り組みを紹介しました。

 先生「運動会、何か(種目)出るの?」
 園児「おやつが出るよ」

 園児との会話を読みかえして大人の言葉遣いを改善し、災害時の指示にもつなげているという内容でした。

 記事に対して「他人事ではない」といった声が読者から寄せられました。

 

 

習ったところ、全部読み上げる

 特別支援学級で学ぶ小学5年生の女の子は、4歳の頃、発達障害のアスペルガー症候群(現在の自閉スペクトラム症)と診断されました。

 小学1年の時、「(その日の授業で)習ったところを音読する」という国語の宿題が授業のたびに出ました。女の子は毎回、4月からそれまでに習った内容を全て音読しました。日に日に読む量が増えるため、母親が「『今習っているところ』でいいのよ」と言ったが、女の子は「『習ったところ』を読まないといけないの。先生がそう言ったの」といって、なかなか理解できませんでした。

 連絡帳に担任の意図を理解していないことを書き、指示し直してもらったそうです。

 母親は「目立った知的発達の遅れがないため、私たちが気づいていないところで、まだ困っていることがあるかもしれない」と話します。

 

 

言葉には表れていない意図

 白百合女子大学教授(発達心理学)で、神奈川県藤沢市のわかふじ幼稚園園長の秦野悦子さんは、自閉スペクトラム症によって、言葉通りに物事を捉え、言葉には表れていない話し手の意図を理解できない傾向があるときは、話し方に注意が必要と言います。

 ある小学校が遠足に出かけ、教師が「1人ゴミを10個ずつ拾ってゴミ箱に入れましょう」と話しました。自閉傾向があった1年生の児童は周りにゴミが落ちていなかったため、ゴミ箱をひっくり返してゴミを拾い集めたそうです。

 「その子は『ゴミを10個拾う』ことを忠実に実行しました。その場所をきれいにする目的や、ゴミが落ちていなければ無理に拾う必要がないといった条件をしっかり伝えることが必要でした」と秦野さんは指摘します。

 

 

会話の意図、理解し合ってる?

 ほかにも、「ちょっと待ってて」の「ちょっと」はどれくらいの長さなのか。「好きにしなさい」は自由を与えることなのか、怒っていてかまっていられないことなのか、悩むこともあると言います。

 秦野さんは「言葉の背後にある意図まで理解できず、困惑することがある。いろんな経験が少ない子どもなら、なおさら。話す側はあいまいな表現を避けたり、例外や条件を添えたり、具体的な話し方を心がけるようにするべきです」と話します。

 そして、自閉スペクトラム症に限らず、「会話の意図を理解し合うには、発言の前提となる内容を話す側と聞く側で共有することが大切です。話す側は、聞く側がどのように理解するのかを想像しながら話す必要がある。大人同士も含めて、あらゆる人に通じることです」と指摘しています。

 

職場でも…

 会話の勘違いは子どもだけではありません。

2016年

12月

15日

説明できる?「ADHD」と「自閉スペクトラム症」の違い

 

「日本ではここ10年ほどでようやく認知された、自閉スペクトラム症(ASD)やADHD(注意欠如多動症)などの発達障害ですが、発達障害がある人はそれ以前からいたと思われます。昔は近所の友達や大人と接することが多く、そこは傷つきながらも順応するための“道場”だったのですが、いまはパソコンやゲームでひとりで遊んだり、お母さんとの“密室”にこもってしまったりする子どもが多い。だから発達障害が顕著な子が目立つようになったともいえるんです」

そう話すのは、小児発達学博士で大阪大学大学院特任講師の和久田学先生。いつもひとりでポツンとしていたり、イザコザばかりを起こしていたり――「まわりの子どもたちと上手になじめていないような」と不安な人も多いのでは? そこで、2つの発達障害の主な特徴を和久田先生が解説してくれた。

【自閉スペクトラム症】

かつては「アスペルガー症候群」や「広汎性発達障害」などと呼ばれていたもので、社会性、コミュニケーションの障害と、行動や興味に偏りがあるといわれています。いわゆる“暗黙の了解がわからない”“空気が読めない”という特徴があります。たとえば「喉が渇いた」と言う相手の本心が「何かを飲みたい」ということなのを理解できなかったりする。また、行動に変更が利かない、細部に必要以上にこだわり、物事の全体像が見えないといった特徴も。

【ADHD】

「注意欠如多動症」といい、落ち着きがなく、よく考えずに行動する「衝動性」や「多動性」「不注意」などの特徴があります。衝動性とは、たとえばボールが転がってきたら、4~5歳にもなれば、取りに来た人のほうに返そうと考えることができますが、ADHDの子どもの場合は、ボールをすぐに蹴ってしまったりする。ゆっくり考えればわかることなのに、その前に行動してしまうので危険を伴う場合もありますが、専門医に相談したうえでの投薬治療が可能。

では、発達障害の子どもには、どのように対処していくのが有効なのだろうか?和久田先生は、“発達障害もひとつの個性”と語る。

「もし、『うちの子は発達障害かも』と思っても、『なんでそんな当たり前のことができないの!?』と無理に叱ったりしないでください。それはお子さんにも大きなストレスになってしまいます。発達障害は“ひとつの個性”として考えられます。研究が進んでいて対処法もあるので、過剰に心配することはありません」

まずは「発達障害情報・支援センター」のHPなどで調べて、各地域の支援センターなど、公的機関に個別相談することから始めよう。

※本文では「自閉スペクトラム症」という表記を用いていますが、「自閉症スペクトラム」という表記の仕方もあり、意味は同じです。

 

 

女性自身 12/14(水)

2016年

11月

18日

子の発達障害の可能性を放置すると、将来どんな問題が?

 

発達障害か否かが判別しにくい「グレーゾーン」。実は、いちばん怖いのは思春期以降のの「二次障害」のほうだそう。

「二次障害は、不適切な環境に置かれたことに対するストレス反応です。 先天的に脳にあった一次的障害に対して、後天的に発生してしまった障害をいいます」

こう話すのは、『立石流 子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方』(すばる舎)などの著書を持つ立石美津子さん。

発達障害でありながら親がそれを否定し通常学級で普通の子として学ぶことにより、友だち関係がうまく作れなかったり、いじめにあったり、「どうせ俺なんか」といった自己否定の気持ちを持ってしまったり。それが不登校やうつ、家庭内暴力、ひきこもり、さらにはリストカットなどにつながる危険性があるそう。

「これらは大人になって突然起こるのではなく、マイナスの経験の積み重ねの結果です。特に、障害が重い場合に比べ、知的遅れがないために親も本人も受け入れられない『グレーゾーン』において、二次障害の問題は最も起こりやすい傾向があります」



●「できるだけ通常学級で」は子を追い詰める可能性も
二次障害を防ぐ一番のカギは、一番長い時間子どもと関わるお母さんの姿勢だそう。

「子どもの“あるがまま”を認められず、自分の考える理想の子ども像を求め、ほかの子と比べてしまう。でも、背の高い子や低い子、走るのが速い子や遅い子がいるように、頑張ってもできないことはあるのです。親が追い詰めた結果、子どもは誰にも理解されることなく、苦しみ、孤立します」

また、知的に遅れがあるのに「特別支援学級に行かせると、伸びるものも伸びなくなってしまう」と思い込んでいる親、「とりあえず通常学級でできるだけ過ごさせ、無理になったら移動させよう」と考える親も多い。

「でも、特別支援教育なら、個別に手厚いサポートが受けられるところを、親の見栄や知識のなさによって通常学級で頑張らせてしまうことで、子への精神的負担が積み重なり、手に負えない段階になってから特別支援学級に移るケースは多いのです」

子どもの1~2年間は非常に大きなもの。小学校低学年くらいまでは二次障害は起こらないのに、結論を先送りすることで、事態が悪化してしまうことは多々あるのだ。

ちなみに、難しいのはママ友に聞いても、無責任に「大丈夫よ。個性のひとつよ」などと言われて終わってしまうことが多いこと。

グレーゾーンを受け入れられない人は、まずネットや書籍で情報を集めてみること。異年齢の子の親が集まるNPOイベントなどに行ってみるのも、客観的に判断できる材料となるそう。自分にとってでなく、わが子にとってベストの選択をしたいものだ。
 

記事提供/ママの知りたいが集まる『mamatenna(ママテナ)』
(R25編集部)

2016年

10月

28日

吃音、幼児期に5%発症…症状が出たらどうするか

 

幼児期になることがある 吃音(きつおん)。言葉を話す力が身に付く時期に発症するが、原因は十分に分かっていない。不安を感じる親は多いが、焦らず長い目で接することが大切だ。

 都内の女性医師(38)は、5歳と3歳の娘2人に吃音の症状がある。長女は2年ほど前から、「幼稚園」を「よ、よ、よ、ようちえん」と言うなど言葉が詰まってしまうようになった。最近になり次女も自分の名前などがうまく口に出せなくなり、女性は「私の育て方が悪かったのだろうか。将来、からかわれてしまわないかと思うとつらい」と涙をこらえる。

 吃音は、単語の最初の音を繰り返してしまったり、引き延ばしてしまったりするのが主な特徴。言葉を出そうと力を入れ、手や足を動かすなどの二次症状が出ることもある。

 国立障害者リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)の言語聴覚士の坂田善政さんによると、吃音は交通事故などによる脳損傷といった後天的なものを除き、文章を話す能力が身に付いてくる2~5歳児の5%弱が発症するという。なぜ吃音になるか原因は完全には解明されていないが、体質の影響によるものが大きいとみられている。何らかのストレスなど環境要因もあるとされるが、坂田さんは「吃音のある子どものほとんどは、普通の家庭で育っています。親を責めたり、親が自分を責めたりする必要はありません」と断言する。

 我が子に症状が出たらどうすればいいのか。坂田さんは「子どもが楽に話す経験を積むことができる環境作りが大切」と話す。言葉に詰まっても、「スラスラ話して」などとせかすのは厳禁。ゆったりした気持ちで聞く。親もゆったりと話すようにしたい。複雑な質問は避け、「何を」「誰と」などと単純な質問にすることで、負担を軽くさせる気遣いも役に立つ。

 吃音でも、多くの子どもは話をしたがっている。リラックスした環境が整ったら、できるだけ話したいだけ話をさせ、スラスラと話せる成功経験を多く積ませる。

 医師の女性もこうした環境作りを心がけ、長女も次女も症状が改善されているという。「子どもを一人の人間として尊重することの大切さを知り、親子の関係は良くなりました」と話す。

 幼児の吃音は8割弱が発症後5年以内に自然に治るとも言われている。焦る必要はない。1年以上続く場合や、症状が目立つ、子ども本人が気にする――といった場合は、言語聴覚士がいる病院など専門機関に一度相談することを坂田さんはすすめる。専門機関の中には、環境作りの支援だけでなく、必要に応じて話す練習を行っているところもある。地域の保健センターや各都道府県にある言語聴覚士会に問い合わせをすれば、最寄りの場所を教えてくれる。

 就学期になってもなかなか治らないケースもあるが、努力を続けて克服し、政治家や俳優、アナウンサーになった人もいる。坂田さんは「吃音が残っていても社会で幸せに生きている人はおり、必ず治さなければいけないものではありませんが、滑らかに話してもらいたいと思うのも親心。今できることをしてあげてください」と話す。

 

 

 

読売新聞(ヨミドクター) 10/28

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