片づけの習慣がない人が「断捨離しなくちゃ!」と思い立っても急に明日から荷物が整理出来るようにはなりませんよね。これらは幼児期からの習慣づけや場合によっては発達障害などが影響していることもあります。
今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子が片付けができない原因としつけについてお話します。
■「注意欠如/多動性障害(AD/HD)」かもしれない
先日タレントの栗原類さんが発達障害であることを告白されて話題となりましたが、あまりにも片付けられない人の中には、ひょっとしたら注意欠如/多動性障害(AD/HD)を疑うべき人もいるかもしれません。
子どものうちは多動(=じっとしていられない)衝動性(=感情を爆発させる)の症状で表れますが、大人になって多動(=ウロウロする)な人はあまりいません。その代わり、忘れ物が多い、片付けられないなどの症状で出てきたりします。
一つの物を手にした時、ふと違うことが頭によぎり、今やっていたことを忘れてしまう。こうして失くし物が多くなったり、片付けもままならなくなり家がゴミ屋敷化します。
そうなると「脳に何か原因があるのかしら……」と不安になってきます。
けれど、単にだらしがない人の片付け方は、散らかってはいるものの、ある程度カテゴリー化されています。洗面所には歯磨き、タオルがあちらこちらに散乱しているけれども種類はまとまっている感じになります。
いっぽう、AD/HDの人の片付け方は洗面所に線香、キッチンにアルバムというごった煮状態であるのが特徴です。
もし「私は怪しいかも」と感じたならば、一度精神科を受診しましょう。そして発達障害と診断されたら「私は片づけが出来ない」と割り切ることも大事です。
苦手なことを克服するより片付け上手の家族にその役割を振ってしまいましょう。その方が家族円満になります。
■「片付けができない子」にさせないための3つの習慣
(1)環境整備をする
「整理整頓しましょう」「おもちゃを片付けなさい」「散らかさないで」と言うのではNGです。全部、曖昧な指示であり、子どもには抽象的な表現はわかりません。
「ブロックはブロックの箱へ」
「ぬいぐるみは人形類の箱へ」
「電車は電車箱へ」
そして、これらを視覚的に文字や写真にして貼っておきましょう。
(2)親が手を出さない
「片付けなさい」と機関銃のように叫びながら、結局は親がやってしまっている家庭があります。
「片付けなさい。もう幼稚園に行く時間よ」と叱っても片付ける気配がなかったら「今日は幼稚園お休みするしかないね」とか「じゃあ、ママは先に行くね」と言って、玄関を出て行く振りをしましょう。慌てて片付けるはずです。
口やかましく言いながら最終的に親がやってしまうと、子どもは「僕が片付けなくてもママが片付けてくれる」と学習してしまいます。
(3)モデルルームにしない
普段から“モデルルーム”のように家が綺麗に整理整頓されていることはよいことです。子どもが普段目にしている環境って大切です。
ただし、注意が必要なのは、綺麗好きの親は汚い状態をがまんできず、つい子どもの整理整頓もやってしまいがちなことです。子どもは幼稚園や学校で自分の持ち物管理ができなくなります。
ママは小奇麗で家もホテルみたいなのに、子どもの机の中からはカビたパンや干からびた粘土類がどっさり出てきたり……。不要な物ばかり入ったバッグや机では、勉強の取り組みにも時間がかかり集中出来ません。
これはやり過ぎている親のせいかもしれませんね。
大人がやってしまったら自ら動くようにはなりませんよ。
(4)ゴミ屋敷にしない
生まれた時から散らかっている家で過ごしていると“散らかっているのが普通”の感覚になってきます。こうなってしまうと“散らかっていると不愉快”の感覚もなく「片付けよう」という動機がそもそも湧いてきません。
あなたご自身の片付けが出来ない原因も探りながら、わが子には片付けができる環境を整えてあげましょうね。
It Mamaから転載 2016年06月22日