アスペルガー症候群は運動が苦手と言われる理由とその特徴

 

アスペルガー症候群は約4000人に1人発症する病気です。

多くはありませんが、少なくもありません。

男性に多く、運動が苦手という特徴があります。

ここではアスペルガー症候群に見られる他の特徴や、何故運動が苦手なのかという理由についてご説明いたします。

 

 

アスペルガー症候群の特徴とは?

 

アスペルガー症候群の特徴として、基本的に人に関心がありません。だから人の気持ちを察するというのは苦手です。よく言う「空気が読めない」人なのです。だから、周りの空気に合わせるという事が出来ず、仮に周りが静かな中でも一人、何故人が静かにしているのが理解できませんから、平気で大声で話したり、騒いだりしています。

読めないのは空気や雰囲気だけでなく、人の表情も読めません。他人に興味がないのですから当然かもしれませんが、何故そのような表情をしているのか、その人がいまどういう気持ちなのか察する事できないのです。そのため一人で遊ぶのは苦ではなく、むしろ一人で遊ぶ傾向があり、人と一緒に何かするという事に興味がありません。人付き合いも苦手です。

そして変化を好みません。いつもと同じ手順で同じことをすると安心しますが、少しでも変化があるとパニックになる傾向があります。興味のある分野には、抜群の記憶力を発揮しますが、それ以外には全く興味を示しません。

 

 

アスペルガー症候群は知能や身体に問題があるのが原因?

 

いいえ、知能にも身体的機能にも問題がありません。幼児期には知的遅れも言語発達の遅れも伴わないので、この障害は発見されない事が多かったのですが、最近は幼児期で発見されるようになりました。一見自閉症と似ていますが、知的遅れや言語発達に問題がないため、カテゴリ的には別の物とみなされていています。広義的な意味では含まれる場合も。

身体的にも問題はないのですが、障害でない人と比べていろんな感覚に偏りがあります。例えば触覚が敏感であれば、ちょっとした物の触感に拒否感を覚えたり、聴覚が敏感であれば、音に対して過敏になる傾向があります。平衡感覚に偏りがあると、バランスをと似にくかったり、逆に何度体を回しても目が回らないなんて場合もあります。味覚も同様です。好き嫌いが明確なので、偏食の傾向が強いです。

前述した通り運動も苦手ですし、手先も不器用で道具を使うのが苦手です。身体的機能には問題がなく制御する部分に問題があるようです。

 

 

アスペルガー症候群は何故運動が苦手なのか?

 

アスペルガー症候群の特徴として、自分の興味のあるものと無いものの差が明確です。興味のあるものに対する記憶力はものすごく、大人でもその知識にはかなわないほど。本などもほぼ丸暗記可能です。実際知能指数がずば抜けて高く、有名な学者や偉人の中には、アスペルガー症候群だろうと推察される人も少なくなりません。

しかしその一方運動が苦手、道具を使うのが苦手で不器用な特徴があるのは何故でしょうか?

これは恐らく頭と体がバラバラになってしまっているのが原因かと思われます。私たちは何か運動をする時、道具を使うとき、始めのうちは考えながらやっていますが、慣れてくれば、よく「体が覚える」というようにいちいち考えずにこなしています。しかし、アスペルガー症候群の人は、それをいちいち考えてしまうのです。

例えば自転車を運転するにも、私たちは足を動かそうと考えてしていません。しかしアスペルガー症候群の人は、どこに足を置いて、どのくらいの力を入れてしまうのかを考えてしまうので結果上手くできないのです。

 

 

 

アスペルガー症候群は苦手な運動を克服できる?

 

まずアスペルガー症候群については、根本的な治療方法はありません。そもそも原因がいまだ不明なのも治療できない一因です。アスペルガー症候群の症状はその本人の性質として「治療」できるものはないという考え方もあります。

ただし、問題点は明確であるので、それを改善して、社会生活できるようにする事は不可能ではありません。

コミュニケーションはもちろん、苦手な運動も克服できる可能性はもちろんあります。それに肝心なのは早期発見、早期治療であると言われています。この症状が出ている子は、知能的に遅れがないため、幼児期には発見しにくいのですが、幼稚園や保育園などで生活をしていると徐々に対人トラブルを起こしたり、他の子と違う行動をする事から、その可能性を指摘される事もあります。

この治療に重要なのは、一番困っているのは子供本人だと理解してあげる事です。一見するとマイペースで自分勝手な行動に見えるので、我儘な子供とレッテルを張られがちですが、そういった無理解が症状を悪化させます。

逆にその子の症状を周囲が理解してあげる事が大切です。

 

 

アスペルガー症候群の治療方法

療育によって症状が改善できると言われています。

つまり、その子の症状に応じて、その子に向いた教育プログラムを組んで、苦手な事や困りごとを少なくしたり、その子供の良い所を伸ばしてあげるという内容です。

その子が何に興味を持っているのか、そしてなにを苦手にしているのか、逐次心理テストや適性検査を行い、その子の成長に合わせて治療の方向を決めていきます。

例えば会話が苦手な子であれば、もしかしたら絵で自分の気持ちを表現しているかもしれません。それがその子のコミュニケーションや自己表現の手段なのです。そういった特性を理解してあげ、それを伸ばしてあげるといった具合です。

アスペルガー症候群は他人に興味が薄く、そのため感情を理解してり、自分の感情を表現したりする対人コミュニケーションが苦手です。しかし、それを上手く行うための社会生活技能を身に着ければ、彼らも社会生活を送る事が可能です。

病気だからといってその子を否定するのではなく、個性の一部として受け入れ、その上で社会生活に問題ないような手段を身に着けることができれば、十分に自分の人生を送れる事が可能です。

 

 

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