他人の気持ちを察する方法

上手くコミュニケーションできるようになる方法

そこで、あなたに実践してもらいたいのは「尋ねる」ということです。言語以外の表現方法を理解しにくいのであれば、それを補うために分からない部分を直接尋ねればいいのです。例えば、「それは簡単でしたか?」「その後は順調ですか?」「どんな気持ちでしたか?」など、軽い感じで聞いてみて下さい。ただ、しつこく聞くと嫌がられるため、簡単な質問をするという感じにして下さい。そうすることで、人がどのような場面でどのように感じるのかを知ることができます。

 

そして、他人をよく観察することも大切です。話しをするキッカケや話しを終わらせるタイミングなど、色んな人を見ることによって、あなたなりのパターンを確立しやすくなるはずです。他人と上手くコミュニケーションを取るには、その部分を知るスキルは重要です。色んなパターンを知れば、あなたなりの世間話のバリエーションを増やすことにもつながります。世間話は、人と人とをつなぐ潤滑油となりますので、気軽に世間話ができるように努力して下さい。しかし、世間話が簡単にできるようになるのは、大変であることも確かです。そのため、色んな人の話を聞いて、それをそっくり定型文として覚えるのも一つの方法です。例えば、「雨が降りそうですね」「もうすぐお昼ですね」など、話をするきっかけとなる言葉を知り、それをそのまま使えばいいのです。そこで、気を付けて欲しいのは、当たり前のことをさらっと言うのは良いのですが、それをさらに確認するかのようにしつこく話しをするのはやめて下さい。同じようなことを何度も言われると、相手は返事をするのが面倒臭くなり、あなたと話をすることがイヤになる可能性があります。世間話は、さらっと軽く受け答えする程度で構いません。

 

世間話は、目的があって話し合いをするのとは違い「軽い話し」をするのが前提です。そのため、「暑いですね」と話しかけられたら、「ホント、暑いですね」と軽く返事すればいいのです。「昨日のプロ野球の試合、凄いホームランが出たね」と言われて、そのホームランが自分にどのように関係しているのか?などと考える必要はないのです。多くのアスペルガー症候群の人は、「元気ですか?」と話しかけられると、「毎日3食しっかり食べて、睡眠時間を8時間はとっているため体調は万全です。しかも、家では毎日趣味に興じているため、ストレスも溜まっておらず体調不良になる要因が見当たりません。」というように、詳細に話し続けることがあります。そんな風では、挨拶程度に「元気ですか?」と軽く話しかけた相手は、「そこまで詳しく説明しなくても…」と思ってしまいます。そのあたりの感覚は馴染めないかも知れませんが、普通はそういうものなのです。ただ、そのように理解し難い部分は無理に理解しようとせず、「元気ですか?」と話しかけられたら「元気ですよ」とだけ返答するものだと機械的に覚えて下さい。という訳で、色んなパターンを覚えるために、自分以外の人に注目することを忘れないで下さい。

話のきっかけをつくる簡単な方法

会社などで何人もの人がまわりにいても、あなたが話しかけるきっかけを掴めなければ、コミュニケーションを取る以前の問題となります。そのため、コミュニケーションを取るための「きっかけ」作りをする必要があります。その方法ですが、一番分かりやすいのは「人助け」です。人助けといっても、海で溺れている人を助けるようなことではなく、日常生活でのチョットした気遣いです。例えば、「お茶を入れてあげる」「配達物を取ってきてあげる」「コピーを取ってあげる」などです。他には、部屋の中が暑いとあなたが感じたなら、「暑くないですか?暑ければクーラーの設定温度を下げてきますよ」なども良いでしょう。これは、まわりの人たちに迎合するのとは違い、あくまで気遣いの部類です。誰かに媚びるのとも違います。そのため、何から何までする必要はありません。会社などで、どこまでのことをすれば良いのか判断する自信がなければ、あなたがまわりの人たちにしてあげられるリストを作っておいて下さい。そして、そのリストに基づいて行動するようにして下さい。

アスペルガー症候群であることの理解をする

アスペルガー症候群の人たちは、物事を直線的・論理的に見て公正に判断しようとします。そこに、まわりくどさはありません。そのような感覚は間違ったモノではなく、それはそれで正しいのです。ただ、たまたま世の中の多くの人は、、アスペルガー症候群の人たちとは少し違った感覚で物事を捉えています。それも間違ってはいません。世の中を見ると、アスペルガー症候群の感覚を持ち合わせている人は少数派です。どうしても、多勢に無勢で少数派が弱い立場となってしまうため、アスペルガー症候群の特性は変わっているとみられてしまいます。それが現実です。

 

従いまして、あなたは多勢とは感性が違っていることを受け止め、出来る限りまわりに協力を求めることも必要です。まわりの人たちに、あなたの特性を理解してもらえるのとそうでないのとでは、対人関係に雲泥の差が出ます。アスペルガー症候群であると言わずに、自分の特性を伝えるのもひとつの方法です。ひとりでも理解者が出来ると、その理解者が他人とあなたの橋渡し役になってくれることもあります。協力を求めることは恥ずかしいことではありません。アスペルガー症候群でなくとも、みんな助け合って生きているのです。ただし、理解してもらえない場合もあります。そのリスクを考えると躊躇するかも知れませんが、人を信じることは大切です。

 

過去に対人関係でイヤな思いをした経験があれば、人を信じるのは簡単ではないかも知れません。それに、誰でも無条件で信じてしまうと騙されることがあるかも知れません。しかし、過去のイヤな経験のほどんどは、まわりの人があなたの特性を理解できなかったことにあります。そのため、簡単ではないかも知れませんが、最低限の信頼を他人に抱くことには大きな意味があります。あなたが他人を信じる心を持ち合わせていなければ、他人もあなたを信用してくれません。従いまして、他人を信じて、あなたの特性を説明し理解してもらい、何かあれば協力してもらえる環境作りに目を向けることも大切です。自分で道を切り開くのは大変ですが、理解してもらえずに生きづらさを感じ続けるより、少しずつでも理解し合える環境を作る方が良いに決まっています。世の中、悪人ばかりではありません。できれば、家族など身内にも協力してもらいチャレンジして下さい。

 

 

アスペルガー症候群の特徴より

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