アスペルガー症候群の子どもの長所

①驚異的な記憶力

アスペルガー症候群の長所として、驚異的な記憶力を発揮する場合があります。

 

たった一回、もしくはほんの一瞬情報にふれただけでにも関わらず、後で写真にも勝るとも劣らぬほど完璧によみがえらせることができる人がいます。
その量と正確さにおいて、群を抜く記憶力には感動すら覚えることがあります。

 

一度見た物を記憶して、まるで写真ように詳細に再現することができるサヴァン症候群と類似している部分があります。
サヴァン症候群もアスペルガー症候群もこだわりが強いという共通点があります。

 

ですので、小さい時から、近所の子供たちと外で遊ぶより、暇さえあれば興味のある本を貪るように読むことが多いです。
そして、本で読んだことは親などの他者に対して、細部に至るまで完璧に再現することができます。

 

このような子供を持つ場合は、ぜひ褒めてあげてください。
そしてその能力を、本人の興味があるものだけに限らず、他の勉強にも活かすよう工夫して促しましょう。

 

そうすることで、さまざまな分野について記録力を発揮し、見識や人間関係の幅も広がります。

②優れた学問的才能

アスペルガー症候群の長所として、優れた学問的才能を発揮する場合があります。

 

アスペルガー症候群の人の多くは、一般的に一つまたは二つの特定の分野において、平均を上回る学問的才能を持っています。

 

語彙の発達もその一例です。
新しい言葉や洗練された言い回しをすぐに覚え、使いこなせるようになる人がいます。

 

さらに、つづりをめぐる才能も一般的に認められている長所です。
単語を声に出して発音したり、目にしてすぐに読む能力についても、本来の水準をはるかに上回っています。
しかし、自分の発音している単語が実際に何を意味しているかということについての理解は、本来の水準とさほど変わらないか、場合によって下回る場合もあります。

 

これらの長所を持つ子供をの親は、ぜひ、同級生の子で勉強が苦手な友達に学校で勉強を教えてあげたらとすすめてみてください。
このような役割を持つことは、子供の自己評価を向上させる機会を作ることになります。
また、それにより同級生に対する関心も増します。

③視覚的思考

アスペルガー症候群の長所として、視覚的思考を発揮する場合があります。

 

視覚的思考者には、パズルを完成させる、地図を読み取る、建物の設計をすばやく理解するなどの分野に優れた才能を発揮する人が多いです。

 

アスペルガー症候群で視覚的思考を持つ人に言わせると、言葉は一連のイメージへと変換され、まざまざと目に見える形で視覚的な物語を語り出すそうです。

 

それに対し、一般社会は言語的思考者による言語的思考者のための世界です。
ニュース番組も新聞も商品の使用説明も言葉に頼っています。

 

これは、視覚的思考者にとって、若干の不都合が生じます。
しかし、自分に合った職業や世界で邁進することで、大きな功績を挙げ、より充実した人生を送ることができます。

 

物理的な空間能力を活かせる職業や、イメージ化する能力が活かせる職業などが向いているでしょう。
可能性は無限大です。
子供の好きなこと興味のあることをどんどんやらせてあげましょう。

④秩序や法則の認識

アスペルガー症候群の長所として、秩序や法則の認識を発揮する場合があります。

 

物事の働きや人との関わり方、出来事の一般的な展開の仕方を、明確な法則に変換し、パターン認識することによって、うまく世間を渡っていくことがよくあります。

 

情報を分析し、物事を司っている一連のパターンや法則を引き出す能力には、目を見張るものがあります。

 

アスペルガー症候群の人が、どのような才能によって行動や振る舞いにおける一定のパターンを理解するのか、正確なところはまだ解明されていません。

 

しかし、社会的状況について生まれながらに洞察力が欠けているとされているアスペルガー症候群の人も、このような理解力を持ってすれば、十分補うことは可能です。

 

規則、パターン、法則、原則などを踏まえることで、本人も気持ちよく行動を展開し、自身を深めることができます。

 

また、既存の規則に実に忠実に従うことから、優良な市民になりえます。

⑤強い情熱と意志

アスペルガー症候群の人は、長所として強い情熱と意思を持っています。

 

特定のテーマや関心に没頭するあまり、それ以外のことに手がつかないという状況がよくあります。
中には、食事をするのを忘れる人もいます。

 

この性質を活かして、本人が興味を持っている分野で素晴らしい成功者になることが多いです。
また、その関心を共有できる人達とも交友関係が広がります。

 

子供の場合は、学校の宿題などの興味のないことをやるご褒美として、興味のある分野の物をプレゼントするという方法もあります。
関心のあるクラブや部活動に入れば、同年代の友人が出来、より充実した学校生活になるでしょう。
一般常識を教える際も、興味のあるものに例えたりすると、スムーズに教えることができます。

 

このような強い情熱や意思を活かせる職についたり、大人になってもその分野の趣味を持ち続けることが、その人の人生をより豊かなものにします。

 
 

⑥大人との親和性

アスペルガー症候群の長所として、大人との親和性があります。

 

アスペルガー症候群の子供は、同年代の子供たちとなかなかうまくいかないことが多いです。
その理由は、友達の行動は突拍子がない、気まぐれだと感じるからだそうです。

 

その点、大人は子供たちと比べれば一貫性がありますし、順応性もあることから、アスペルガー症候群の子供は大人といることを好みます。

 

また、同年代の子供に比べて、言葉づかいや関心において洗練されているので、大人の方も一緒にいて楽しいと思うことがあるようです。

 

同年代の子供になじみにくいとは、一見短所にも見えますが、これは長所でもあります。
自分と違う年代の人と適合性があることは、通常の子供にはない貴重な才能です。

 

大人への気遣いができますし、他の友達と大人との架け橋になることもできます。
長所を活かせば、もっと人間関係の交遊の幅が広がります。

 

 

アスペルガー症候群ガイドより

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