親やまわりの人たちが「少し変わった子供」と見てしまい、アスペルガー症候群であることを見逃してしまうことがないように、アスペルガー症候群の子供が出すサイン(症状)を知っておく必要があります。
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①マイペースで集団から孤立
②まわりの空気が読めない
③不器用・姿勢のくずれ
④多動・集中力がない
⑤天才と言われるほどの能力を発揮することがある
アスペルガー症候群であるがゆえに最初にぶつかる壁は、幼稚園や小学校などでの友達関係です。他人に無関心であるために、友達の輪に入らず一人で遊ぶことが多く見受けられます。
自分が興味を持っているモノを友達が持っていたりすると、強引に取り上げてしまうこともあり、「乱暴者」「わがまま」と思われ、余計に孤立してしまう場合もあります。
小学生になると「言わない方が良いこと」など、小学生なりに分かり始めるモノですが、アスペルガー症候群の子供は、そのような暗黙のルールが理解できません。
そのため、「臭い」「汚い」など言わない方が良いことでも、思ったままに口にしてしまい友達を傷付けてしまうこともあります。
逆に、相手のあいまいな表現が理解できないため、「それ出来る?」と尋ねても、アスペルガー症候群の子供は「うん」と答えるだけで、それをしようとはしません。
例えば、部屋の中にいる子供に「ドア、開けられる?」とドアの外から聞いても、ドアを開けられるかどうかを聞かれているだけで、「ドアを開けて欲しい」という意味が含まれていることに気付けないためドアを開けてはくれません。そのため、荷物を持っているため両手がふさがっていて、部屋の中にいる子供にドアを開けて欲しいときは、省略せずに「ドアを開けて欲しい」と丁寧に伝えることが必要です。
アスペルガー症候群の子供の多くに、「姿勢のくずれ」が見られます。
例えば、「猫背」「ダラダラ歩く」などです。あと、運動が苦手な子供が多く、中には運動が嫌いになり外で遊ぶことを苦痛に感じてしまう場合もあります。
他には、手先の不器用さも目立ちます。お箸やスプーンの使い方が下手であったり、ボタンを上手く止められない子供もいます。
しかし、運動能力や不器用さは、訓練で改善が期待できるため、専門家に相談して日常生活に支障が出ないようにするのが良いでしょう。
幼稚園や小学校などで、先生の話を聞かなければならないときでも、他の子供を見てしまうと、その子供に話しかけてしまいます。
教室の中で従業を受けていても、運動場にいる人が視界に入ると、そちらに気を取られてしまいます。あと、席に座り続けることが出来ず、何度も姿勢を変えたり歩き回るなどの多動傾向が見られることもあります。
そのため、小学校などでは、視界に余計なモノが入らないようにするため、一番前の席にしてもらうのもひとつの方法です。
アスペルガー症候群の子供は、興味を持ったモノに対しては凄い能力を発揮することがあります。
特に、規則性のあるモノに対して興味を持つことが多く見受けられます。
例えば、数字・記号・漢字・コンピュータなどです。興味を持ったモノに対しては、年齢相応ではない情報量を暗記することもあり、まわりの大人たちがビックリするほでです。
ただ、興味のないことには無関心であるため、その能力を他のことに活かすことは出来にくいとされています。そのため、算数の成績は良いが他の教科の成績は良くないということがあります。
しかし、子供の自信を失わせないために、得意な分野を伸ばしてあげることは大切です。
上記では、アスペルガー症候群の子供が出すサインの事例を紹介しましたが、上記が全てとは言えません。
あと、子供によって相反するサインを出すこともあります。
例えば、授乳期には「昼夜逆転」「夜泣きが続く」などの症状があり、授乳期以降は激しい偏食などで、親は育児にヘトヘトになる場合があります。
しかし、「泣かない」「ひとり遊びが好き」など、上記とは逆の特徴を見せる場合もあり、そのような子供の親は、子育てが楽だったという印象を持っています。